工場の暑熱対策で重要なポイントになるのは、建物の「屋根」です。
炎天下の屋根は50℃を超えることもあるため、ダイレクトに室温に影響します。快適な作業環境を用意するためにも、根本的な暑さの原因である屋根の対策を徹底しましょう。
この記事では、室温の上昇を防ぐために効果的な、屋根を中心とした暑さ対策を5つご紹介します。
「夏の暑さをどうにかしたい」「従業員の熱中症が心配」という方は、参考にしてみてください。
1.工場内の暑さの主な原因は「屋根」にある
上述したとおり、工場の暑熱対策のポイントは、建物の「屋根」になんらかの対策をすることです。
なぜなら、工場の室温が上昇する主な原因は、太陽に照らされた屋根と建物内部の機械から発生する熱にあるからです。
特に真夏の暑さは、太陽から発生する放射(輻射)熱が屋根の温度を上げることで起こります。真夏の激しい太陽光にさらされた工場の屋根は表面温度が50度を超えることもあり、工場内でいくら冷房を入れても涼しくなりません。そのため、根本的な暑さを防ぐためにはまず屋根の暑熱対策を徹底して、屋根の表面温度を下げることが重要なのです。
2.工場の屋根の暑熱対策は5つ
工場の屋根にできる暑熱対策は、大きく分けて以下の5つです。
- 断熱・遮熱効果のある塗料で屋根を塗装する
- 断熱材・遮熱材を屋根に取り付ける
- スプリンクラーで屋根に散水する
- 屋根を二重にする
- 屋根上を緑化する
いずれかの方法で屋根の表面温度を下げれば、室温の上昇を防げます。それぞれの方法について、詳しく解説しましょう。
2-1.断熱・遮熱効果のある塗料で屋根を塗装する
いわゆる「断熱塗料」「遮熱塗料」で屋根を塗装する方法です。
どちらも太陽光から発せられる熱の吸収を防ぐ効果がありますが、断熱塗料には室内と室外の熱の移動を絶つ効果もあります。室内と室外の温度を快適に保てるため、夏だけではなく冬の室温調整にも役立つのが断熱塗料です。また、断熱・遮熱どちらの機能も併せ持っている塗料もあります。
2-2.断熱材・遮熱材を屋根に取り付ける
「断熱材」や「遮熱材」と呼ばれる建材を屋根に取り付ける方法です。
どちらも太陽光から発せられる熱の吸収を防いだり、伝導率を悪くしたりして、屋根の表面温度を下げる効果が期待できます。
いわゆるプチプチ(緩衝材)のようなもの、アルミ製でシートのようなものなど、断熱材・遮熱材の素材はさまざま。工場の屋根の表面に取り付ける方法もあれば、表面・裏面両方に取り付ける方法もあり、素材によって取り付け方や取り付け場所が変わってくる点にも留意が必要です。
断熱材や遮熱材は屋根の表面温度を下げるだけではなく、防音効果や防虫効果、調湿機能に優れているものもあります。塗料と同様、メーカーや製品によって機能が異なるため、よく確認したうえで目的に適したものを選ぶといいでしょう。
2-3.スプリンクラーで屋根に散水する
打ち水のようにスプリンクラー(散水機)で屋根に水を巻き、屋根を冷やす方法です。
屋根にまいた水が蒸発する際、屋根の表面から熱を奪うことで屋根の表面温度を下げる効果が期待できます。工場専用のスプリンクラーが販売されているため、そうした製品を屋根に設置して暑さが気になる夏限定で利用するのがいいでしょう。
ただし、スプリンクラーは水道代がかかること、定期的な散水で屋根が錆びてしまう可能性もある点に留意が必要です。また、塗料や建材を屋根に塗布・取り付ける場合は「暑さを防ぐ以外の効果」も期待できますが、散水の効果はあくまで屋根の表面温度を下げることに限定されています。
「真冬の気温調整も行いたい」「工場の空調代を節約したい」といった希望がある場合には、1の塗料や2の建材を利用する方法が適しているでしょう。
2-4.屋根を二重にする
既存の屋根に新たな鋼板屋根を重ね、断熱材を層間に挟む方法です。
屋根を重ねることで耐久性・耐候性も向上し、省エネ対策にもなります。また層間に挟んだ断熱材の空気層により、高い断熱効果が期待できると言われています。ただし、他の方法に比べると施工費用が高くつくこと、工期が長くなる可能性がある点には留意が必要です。
屋根や断熱材の厚みによって効果が変わってくるため、費用と工期をよく確認したうえで検討しましょう。
2-5.屋根上を緑化する
屋根上や屋上に植物を植えたり人工土壌・人工芝生を敷き詰めたりして、緑を増やす方法です。
屋根上の緑化は断熱性能が向上するだけではなく、省エネ対策、ヒートアイランド現象への対策や景観の向上にも繋がります。外観から大きく変わるため、工場のイメージアップ効果も期待できるでしょう。
ただし、緑化対策は施工費用が高くつきやすく、工期も長くなりがちです。また虫が増加したり、雨天時に土壌が流出してドレンが詰まったりといったトラブルも考えられます。緑化対策による暑熱対策は植物のメンテナンスが重要になるため、導入の際は長期的に維持管理できる体制を作ることが大切です。
3.おすすめなのは断然断熱塗装!
断熱塗装がおすすめな理由は大きく分けて以下の三つです。
3-1.費用がカバー工法・葺き替え工法と比べて安価!短期間!
屋根の劣化に伴う暑熱対策をする際に、選択肢として「カバー」「葺き替え」「塗装」があります。
カバーや葺き替えをするとなると、価格や工期が塗装の2倍するものもあります。
また、葺き替えの場合は今ある屋根材を一度すべて取ってしまうのでその間工場内での作業をストップせざる負えません。
劣化がひどすぎず、塗装で補修が可能であるのならば予算を抑え足場など工場の従業員の負担が少ない塗装がおすすめです。
3-2.結露防止効果
断熱・遮熱効果が向上することで、室内と室外の温度差を少なくすることができ、結露防止効果が期待できます。
結露は室内にカビを発生させたりなど工場内の機械などにとって大敵になる為、結露防止効果は非常に嬉しい効果です。
3-3.屋根材の保護効果
屋根材は紫外線や熱を受けることで劣化してしまいます。
そのため断熱塗料で熱伝導を抑えることにより、屋根材の耐久性の向上が期待できます。
また、最近では断熱・防水・補強を一緒にできる塗料も出てきています。
4.工場での屋根断熱塗装ならセイリョウにお任せください
長年にわたる実績と信頼で、工場の屋根の断熱塗装をはじめ、住宅の屋根塗装にも対応しています。
セイリョウでは、暑さ対策はもちろん屋根の劣化状況によって建物に合った提案をさせていただいております。屋根の劣化状況を把握するのが難しい建物でもセイリョウでは高所作業車やドローン、ロープアクセスといった足場やはしごがなくても現状を診断できる方法を持っています。また、予算の関係で部分だけ補修して低コストでおさえたいというお声にも応えられます。お客様の大切な施設を、最適な方法で長期間にわたり保護するためのパートナーとして、セイリョウがサポートいたします。
工場内の暑さにお困りの方、屋根の劣化が気になっている方、ぜひセイリョウにご相談ください。
一緒に、働きやすい環境づくりをしていきましょう。