工場を運営する上で、屋根の改修工事は避けて通れない課題です。施工業者にいわれるがまま改修工事を行ったが後悔することになった。そんなことはあってはならないことです。
今回は、改修方法の一つ“屋根塗装”の工程について紹介します。
工場の屋根塗装では、作業工程は重要な要素で、工程によって塗装の品質が大きく変わります。もし必要な手順が省かれていた場合は、仕上がりが良くなく、耐久性も低くなってしまいます。
業者によっては、屋根塗装の工程の詳細を説明してくれない場合もあるため、基本的な工程を知っておくことは重要です。また、工程を知っておくことで、施工された内容が正しいかどうかも判断できるようになります。
改修工事を失敗しない為、屋根の塗装手順を把握しておきましょう。
工場の屋根の種類
波型スレート
波型スレート屋根とは、その名の通り断面が波の形をした屋根材で、主な素材はセメントになっています。中規模程度の工場や倉庫で使われることが多いです。昔から使われている屋根材なので経年劣化の進んだところも多く、あまりに劣化が進行している波型スレート屋根は台風や強風の際に飛散する可能性もあります。
折板屋根
折板(折版)屋根は、工場や倉庫の最も多く使われている屋根材です。素材には亜鉛メッキ鋼板(トタン)やガルバリウム鋼板、ステンレスなどの金属鋼板が用いられています。鋼板を折り曲げて加工してあることから、折板屋根と呼ばれます。
瓦棒葺き屋根
俗に言うトタン屋根が瓦棒葺き屋根になります。小規模の工場や倉庫の屋根でよく使われていますが、戸建住宅でも使われている屋根材です。トタン屋根のトタンとは亜鉛メッキ鋼板のことですが、現在はトタンではなくガルバリウム鋼板が主に使われています。
工場屋根の改修(塗装)工事施工手順
今回は、工場にもっとも使われている折版屋根の塗装手順をご紹介します。
1.高圧洗浄
屋根材の表面に付着している汚れ(ホコリ・カビ・藻等)やチョーキング現象による旧塗膜の白い粉を落とす為に、高圧洗浄機の12~15Mpa(1㎡当たり120~150kgの圧力)で汚れを押し流します。
チョーキングによる粉は、塗装の妨げとなる為、高圧洗浄で洗い流す必要があります。
高圧洗浄後は、金属素地をしっかりと乾燥させて、後の屋根補修作業や塗り替え作業に支障が無い様にします。
2.下地調整
通常の高圧洗浄では除去しきれない、脆弱な塗膜(膨れ・剥がれ)や板金笠木に錆びがある場合は、スクレイパー・ワイヤーブラシ・マジックロン等のケレン具を用いて、しっかりケレン作業を行います。
ケレン作業は、旧塗膜や錆びの除去の事を指し、塗り替えの仕上がりや美しさに大きな影響を与えます。高圧洗浄ができない環境下の場合は、特にケレン作業を入念に行います。
劣化した脆弱な旧塗膜が残っていると、塗り替えた後、不具合が生じやすくなります。
高圧洗浄でも取り除けない汚れがある場合は、丁寧にケレン作業を行い、万全の態勢で塗装作業をする必要があります。
また、周辺環境によって、高圧洗浄ができない場合は、特に入念に清掃する必要があります。
3.下地補修
フックボルトの錆びや屋根材のひび割れ、ジョイント部のシーリングなどの劣化がみられる場合、塗装をする前に補修が必要です。
劣化の状態によりますが、基本はシーリング材を使用して補修します。この下地処理がしっかり行われていないと、雨漏りにつながる恐れがある為とても大切な作業です。
4.下塗り
トタン・金属屋根の塗装に適した、エポキシ系錆び止め塗料・密着プライマー等を1~2回、塗装します。ローラーや筋交い刷毛を使って、丁寧に塗装します。
5.中塗り
錆止め塗料は、下地に対する密着力や錆を抑える力は強いものの、紫外線に対してすごく弱いので、それに対する保護が必要となります。その保護の役目を果たすのが中塗りで、これが仕上げの効果を高めます。
6.上塗り
中塗りと同じものを塗り、仕上げとして塗りムラをなくし厚みをつけ、外観をきれいに仕上げると共に、あらゆる気候に対する耐性をつけます。
屋根の外観もこれで決まるので、とても重要な作業になります。
6.完了後検査・是正
塗り残しや塗りムラ、はがれなどがないかを細かく点検して、必要に応じて手直ししていきます。この段階では、自分でも気になるところがないか業者と一緒に確認していくことが大切です。
まとめ
屋根の改修工事は、工場の建物自体の長寿命化に不可欠な存在です。
また、ただ改修工事をやるだけではなく屋根の材質や状態にあった補修方法や適切な手順で、屋根の改修工事を行ってあげることが大切です。
美しく、機能的な屋根を保つために、定期的なケアを心がけましょう。
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