鉄筋コンクリートの建物は頑丈で長持ちすると言われていますが、雨漏りを放置すると重大な問題が発生する可能性があります。雨漏りは単なる「水のトラブル」ではなく、建物の構造や安全性に大きな影響を与える危険なサインです。
本記事では、鉄筋コンクリートの雨漏りを放置した場合に起こる被害とその理由、また早めの対策法などについて、わかりやすく解説します。
建物の価値を守り、安心して住み続けるために、この記事をぜひ参考にしてください。
鉄筋コンクリートで雨漏りを放置するとどうなるのか?
この章では、鉄筋コンクリート構造で雨漏りを放置することで、どのようなリスクが生じるのかを解説します。
コンクリート内部に水が浸入し鉄筋が錆びる
鉄筋コンクリートは「鉄筋」と「コンクリート」で構成されています。外から水が侵入すると、コンクリートの中にある鉄筋が水に触れて酸化し、サビてしまいます。
一度錆び始めた鉄筋は、膨張してコンクリートを内側から押し割ってしまうため、構造そのものが大きなダメージを受ける可能性があります。
初期段階では見えないことが多いため、放置すると深刻な事態につながります。
鉄筋のサビは自然には止まらず、進行し続けるため早めの対応が重要です。
建物全体の耐久性が低下する
鉄筋が錆びて膨張すると、コンクリートに亀裂や剥離が生じます。これにより、建物全体の耐久性が落ちてしまいます。
長年住むつもりの家や大切な資産であれば、耐久性の低下は避けるべき問題です。
また、耐震性能にも影響が出る可能性があり、災害時に大きなリスクになります。
耐久性の低下は修繕費にも直結するため、見過ごさないようにしましょう。
カビや腐食が進行し室内環境が悪化する
雨水が室内にまで入り込むと、壁や天井の内部に湿気がこもり、カビが発生しやすくなります。
カビは健康に悪影響を及ぼすだけでなく、建材の腐食や内装の劣化を進める原因になります。
また、においや空気の質にも影響が出て、快適な住環境が損なわれます。
特に小さな子どもや高齢者がいる家庭では、健康被害のリスクが高まります。
漏電などの電気トラブルが起きやすくなる
水が電気配線に触れると、漏電やショートが発生する危険があります。
漏電ブレーカーが頻繁に落ちるようになったら、雨漏りが原因である可能性を疑いましょう。
さらに、感電事故や火災のリスクもあり、非常に危険です。
雨漏りが原因で電気設備に問題が出た場合、復旧には大きなコストがかかります。
鉄筋コンクリートの雨漏りを放置することで起きる被害とは
実際にどのような被害が発生するのか、具体的に見ていきましょう。
鉄筋が腐食して構造強度が落ちる
先述の通り、鉄筋のサビによって構造全体が弱くなります。
構造強度が低下すると、地震や台風といった自然災害に耐えられないリスクが高まります。
マンションやビルのような大型建築物では、修復にかかる費用や手間も膨大です。
放置せず、早めに点検や補修を行いましょう。
コンクリートのひび割れが広がる
コンクリートの表面にひび割れができると、そこからさらに水が侵入しやすくなります。
これにより、雨漏りの進行が加速してしまいます。
ひび割れは小さく見えても放置すると広がり、修繕費用が増える原因になります。
小さなひびの段階で対応することが経済的です。
室内にカビが発生し健康被害の原因になる
湿度が高くなり、カビが繁殖しやすい環境になります。
カビの胞子はアレルギーやぜんそくの原因になることがあり、特に呼吸器の弱い人には大きな負担です。
カビ臭や変色は、すでにカビが繁殖しているサインです。
見えない場所に広がっている場合も多いため、専門の調査が必要です。
壁紙や内装材が剥がれたり汚れたりする
壁紙が浮いたり、シミができたりするのも雨漏りのサインです。
湿気により接着剤が劣化し、内装材がはがれてしまいます。
見た目の問題だけでなく、住宅の美観や資産価値の低下にもつながります。
内装の修復にもコストがかかるため、早めの対応が重要です。
漏電や感電などの危険性が高まる
電気が通っている箇所に水が触れると、漏電が起こる可能性があります。
ブレーカーが落ちたり、感電したりする事故も報告されています。
電気と水は非常に危険な組み合わせなので、少しでも異常を感じたらすぐに業者に相談しましょう。
安全確保のためにも、早急な点検をおすすめします。
鉄筋コンクリートの建物で雨漏りを放置してはいけない理由
放置することでどれだけ大きな損失につながるのかを、より深く理解しておきましょう。
建物の寿命が短くなるから
鉄筋の腐食やコンクリートの劣化が進むと、建物の寿命そのものが短くなります。
計画よりも早いタイミングで大規模修繕や建て替えが必要になる場合もあります。
定期的なメンテナンスを怠ることで、数十年単位の価値が失われる可能性もあるのです。
資産を守るためにも、予防保全が重要です。
修理費用が高額になるリスクがあるから
初期段階であれば数万円で済む修理も、放置して症状が悪化すると数百万円かかることがあります。
例えば、ひび割れなら1万円程度、防水工事なら100万円以上かかることも。
「今はまだ大丈夫」と思って放置すると、後で大きな出費につながるのです。
費用を抑えるためにも、早期対応が得策です。
資産価値が下がってしまうから
雨漏りのある物件は、買い手から敬遠される傾向にあります。
査定の段階で大幅な減額となることも少なくありません。
将来的に売却や賃貸を考えている場合は、雨漏りの放置は資産価値に大きく影響します。
建物の価値を維持するためにも、定期的な点検は欠かせません。
賃貸物件なら入居者トラブルにつながるから
雨漏りにより入居者がカビや湿気に悩まされると、クレームや契約解除に発展する可能性があります。
補償や修理費用を請求されるケースもあります。
オーナーとしての信頼を守るためにも、雨漏りは早めに対処すべき問題です。
空室リスクにもつながるため、注意が必要です。
鉄筋コンクリートの雨漏りを放置しないためのチェックポイント
日常的にできる点検や、雨漏りの初期サインに気づくためのポイントを紹介します。
天井や壁にシミがないか確認する
雨漏りが起きている場所のすぐ下の天井や壁に、茶色っぽいシミや濡れた跡が現れることがあります。
これは雨水が建物の中まで入り込んでいるサインであり、見逃さないようにしましょう。
時間とともに広がることが多いため、シミの大きさや色の変化にも注目する必要があります。
定期的にチェックする習慣をつけましょう。
室内の湿度やカビのにおいに注意する
梅雨の時期でもないのに部屋がジメジメしていたり、カビ臭さを感じる場合は注意が必要です。
見えない場所で雨漏りが進行している可能性があります。
特にクローゼットの中や家具の裏側など、普段見えない部分も確認することが大切です。
においは早期発見のヒントになるので、感覚を大事にしましょう。
屋上やバルコニーの防水層の劣化を確認する
鉄筋コンクリート建物では、屋上やバルコニーの防水処理が重要です。
防水層がひび割れていたり、めくれている場合、そこから雨水が浸入するリスクが高くなります。
防水層の点検は5年〜10年ごとに行うのが目安です。
劣化を感じたら、専門業者に見てもらいましょう。
雨の日に水たまりや水の流れをチェックする
大雨の日は、建物の屋上やバルコニーに水たまりができていないか観察する良い機会です。
排水溝が詰まっている場合、雨水がたまりやすくなり、漏水のリスクが高まります。
水の流れが悪い、排水口の近くにゴミが詰まっているといった場合は、早めに清掃しましょう。
雨漏りの兆候を見つけるには「雨の日のチェック」がとても有効です。
鉄筋コンクリートの雨漏りを放置せず早めに対策する方法
雨漏りを未然に防ぐ、または軽微な段階で対処するための具体的な方法を紹介します。
専門の雨漏り調査を受ける
雨漏りの原因や箇所を正確に特定するためには、専門の雨漏り調査が必要です。
目視だけでは見つけられない内部の劣化や、水の侵入経路も調べることが可能です。
赤外線カメラや散水テストなど、専門的な機器を使った調査が有効です。
調査費用は数万円程度で済むことが多く、後の修理費用を抑えるのに役立ちます。
防水工事を定期的に行う
屋上やバルコニーなどの防水工事は、鉄筋コンクリート建物の寿命を延ばす上で非常に重要です。
10年に一度を目安に防水層を再施工することで、雨漏りのリスクを大幅に下げられます。
特に築10年以上の建物では、点検と併せて防水工事の見直しをおすすめします。
費用はかかりますが、長期的にはコストパフォーマンスの高い対策です。
ひび割れを早めに補修する
外壁や屋上に見られる小さなひび割れ(ヘアクラック)も放置してはいけません。
水の侵入口になる可能性があるため、専用の補修材で早期対応しましょう。
DIYで対処できる場合もありますが、不安があればプロに依頼するのが安全です。
補修は軽度であれば数万円程度で対応できることが多いです。
外壁塗装を見直す
外壁塗装は美観だけでなく、防水性を維持する重要な役割があります。
塗装がはがれていたり、チョーキング現象(白い粉がつく)が出ている場合は塗り替えのサインです。
外壁の塗り替えは10年ごとが目安ですが、立地や気候条件によって前後します。
塗装業者に見積もりを依頼して、必要なタイミングで対応しましょう。
信頼できる業者に依頼する
雨漏り対応は技術力や経験がものを言います。信頼できる業者を選ぶことが非常に重要です。
実績や口コミ、資格の有無などをチェックして、比較検討するようにしましょう。
相見積もりを取ることで適正価格を知ることができますし、業者の対応力も判断できます。
安さだけで選ばず、信頼性と品質を重視しましょう。
鉄筋コンクリートの雨漏りを放置しないために業者に相談するタイミング
次のような状況に気づいたら、すぐに専門業者に相談しましょう。
天井や壁にシミを見つけたとき
小さなシミでも、放置すれば確実に悪化します。
シミが出た時点で、内部ではすでに雨水が浸入している可能性が高いため、早めの対応が必要です。
天井や壁紙の色の変化も要注意です。
見つけたらすぐ写真を撮って、業者に見せましょう。
カビ臭が気になったとき
カビのにおいは、目に見えない場所での雨漏りを示していることがあります。
換気をしてもにおいが消えない場合は、内部でのカビ繁殖の可能性が高いです。
放置すると健康への悪影響も懸念されます。
早めに専門家に相談しましょう。
台風や大雨のあとに異変を感じたとき
外からは見えなくても、屋上や外壁の防水層にダメージがあるかもしれません。
気づかないうちに雨水が侵入していることもあるので、異変を感じたらすぐに調査を依頼しましょう。
建物が古い場合は特に注意が必要です。
数日たってから水滴やシミが出てくるケースもあります。
建物の築年数が10年以上経っているとき
築10年を過ぎると、さまざまな箇所に経年劣化が現れはじめます。
雨漏りがなくても、予防点検を定期的に実施することで大きな被害を防げます。
10年を節目として、専門業者によるチェックを検討しましょう。
メンテナンス履歴があると、将来の売却にも有利です。
定期点検を数年以上していないとき
最後に点検してから5年以上経過している場合は、劣化が進行している可能性があります。
雨漏りは症状が出てからでは遅いこともあるため、定期点検が不可欠です。
年に1回程度の点検をルーティンにするのが理想です。
修繕計画とあわせて、点検のスケジュールも立てておきましょう。
まとめ|鉄筋コンクリートの雨漏りを放置せず早めの対応が大切
鉄筋コンクリートの建物での雨漏りは、見えない部分で深刻な被害をもたらします。
建物の劣化を防ぐために早めに対処する
雨漏りの放置は構造の破損・健康被害・修理費の増大など多くのリスクを伴います。
気になる症状を見つけたら、すぐに調査・補修を行うことが重要です。
定期的な点検とメンテナンスが重要
被害が出る前に防ぐ「予防保全」が建物の寿命を大きく左右します。
築年数や地域環境に応じた、定期点検とメンテナンスを計画的に行いましょう。
信頼できる業者選びが雨漏り対策のカギ
経験・実績・対応力のある業者に相談することで、安心かつ的確な対策が可能です。
複数の業者に相談し、自分に合った最良のパートナーを見つけてください。
外壁の補修・塗装ならセイリョウにお任せください!
今回の記事では、鉄筋コンクリートの雨漏りを放置した場合に起こる被害やその理由等について皆様にご紹介をしました。
住宅が密集している場所に家があり、工事を行いたいけど、お隣の家に傷をつけないだろうかとご心配の方も多いかと思われます。
そんなときは私たち株式会社セイリョウにお任せください。
セイリョウはお家やお店をはじめとしたあらゆる建物に「見違える塗装」を施します。
ペンキ屋ならではの知恵と知識、最先端の技術と従来の工法を上手に掛け合わせることにより、お客様のニーズに沿った最適なご提案します。
ぜひ、一度下記リンクからお見積り・ご相談をしてみてください。